2004-09-04 Mz6.ステアしないマティーニ***************** 今し方も、その内の一冊をテーブルの上に開帳し、 シェリー酒を少しづつチビリチビリとやっていた。 角アゴの男の視線は私の指先の カクテルグラスを射抜いていた。 「どうです、一杯やりませんか?」 「いや、ありがとう。」男は飲むとも飲まないとも 答えずに会釈だけ返して、 「しかし実際、退屈しますな。この調子じゃ 退屈のあまり死んでしまうに違いない。」 私は同意した。 .