2004-11-01から1ヶ月間の記事一覧

幽霊にはなぜ足がないか?

一つには「文楽」の影響らしい。 人形から脚を無くしたとき、 裾を引いている女の人形の線が 非常に美しかったからである。

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● 18.●■●■●■●■気を許せぬ一撃必殺、電光石火の決闘シーン

クライマックスがいい。 まるで剣豪同士の決闘シーンのような緊張感。 熊笹が騒めく。 熊の術中にハマッた銀九郎。 そしてリドルストーリー。 味わい深いエンディング。 吉村昭は手堅い。 .

● 17.●■●■●■●■クマも必死&冬眠ダイエットのススメ

今秋は各地でクマの被害が多かったが、 あれは冬眠中のエネルギーを蓄えるためで、 その長い期間の全エネルギーを蓄えるためには 莫大な栄養量を必要とするわけだ。 もはや彼らは冬眠に入ったため、 もうニュースを騒がせることもない。 .

● 16.●■●■●■●■ムーミンもユーミンも冬眠〈ついでにウーミン(映画『HERO』)も〉

そして冬になり、 長期戦に突入する。 .

● 15.●■●■●■●■恩を仇で返すたぁこのことだ?〈現代はそんな礼儀しらずばっかり!〉

餌を与えた光子を襲い、 檻ごと壊して逃亡した「権作」との攻防。 街からスペシャリスト集団もやってくるが、 仕留められずに引き上げていってしまう。 .

● 14.●■●■●■●■痣の通り?

さて、『羆』の光子は、 安易な象徴の運命を引き受けて、 悲劇の犠牲になってしまう。 それも銀九郎が情けをかけた、 子グマから育てた「権作」によって。 .

● 13.●■●■●■●■右曲がり? 左曲がり? ヘソ曲がり?

流通のコンビニエンスが企画の画一化を図ったため、 野菜も個性を失ったが、 曲がったり、 傷ついたり、 虫喰ったものは旨いのだ。 老荘思想でも 曲がった樹は長生きするが、 まっすぐ伸びた樹など 木材にされてしまって 長生きできないという。 .

● 12.●■●■●■●■サメ肌、ヘビ肌、卸し金

更には、楳図カズオくらいでしか見られなくなったが、 蛇の化身のようなウロコ肌の症状も 民俗学を研究していればよく行き当たる。 諏訪など。 〈とはいえ中国古代にはいくらも蛇身の王が出てくる。〉 .

● 11.●■●■●■●■ゴーゴリの主体性のように逃げていくファルスの象徴

また、世阿弥や金春禅竹の半世紀後の能の世界には 「鼻金剛」というニックネームの、 エミネムがパロったマイケル・ジャクソンのように、 鼻に障害のある傑物がいた。 正式名は「金剛兵衛尉氏正」。 1507〜1576。 .

● 10.●■●■●■●■叡智と、その志向性〔ノエマ〕に関する論考

奈良の生駒山の南方で、 小学生少女の惨殺される、 ひどく残虐な事件があった。 『たったひとつのたからもの』や『1リットルの涙』、 あるいは『彩香へ』などのヌースが もっと社会に浸透する必要がある。 .

● 9. ●■●■●■●■小学校入学直前まで育ってくれた天使

ダウン症といえば今秋我々の涙腺を枯らした、 松田聖子主演のドラマ『たったひとつのたからもの』の 主人公;6歳2ヶ月で早世した加藤「秋雪」クンの症状だ。 .

● 8. ●■●■●■●■引け目のアンチテーゼ

美容整形技術が発達してきたために、 現代でそういう「異質性」を見ることは激減したが、 つい数十年前までは「異形」の者も多かった。 能の世界でも「奈良豆比古神社」の「春日王」が ハンセン病でそうだったし〈『精霊の王』p188必見!〉、 この話を現…

● 7. ●■●■●■●■象徴と疵

42歳にして、 首すじから胸もとまで朱を流したような 大きな痣〔あざ〕のある光子という、 肌が白いためにより一層その痣の目立つ 女性と結婚した銀九郎。 .

● 6. ●■●■●■●■非文明性

どうやらアイヌの子でもある 銀九郎は、本州の和人よりも 一倍勘が鋭く、 ために別格あつかいされている。 .

● 5. ●■●■●■●■一目おかれたマタギの話

吉村昭の『羆』〔ひぐま〕でも、 主人公;銀九郎はだから注意深く、 それに対して無神経な猟犬を嫌う、 非常に優れたマタギだ。 .

● 4. ●■●■●■●■パツキンのネエちゃん

そこで紹介されるように、 デート相手の白人女性が、 下着を二日も三日も着けたままにして 自分の匂いを強調したりしたら ちょっと引いてしまうだろうけれども。 .

● 3. ●■●■●■●■五感の進化と新たなるリアリティ《あるいは退化?》

ただ、ライアル・ワトソンの『匂いの記憶』を見てると、 確かに我々日本人は匂いに過敏であり、 デオドランドしすぎで、 ために人格さえ失せている。 .

● 2. ●■●■●■●■古い本能

『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクター、 『キャットピープル』のナスターシャ・キンスキーなどにも、 そういうことを想わすシーンがある。 .

● 1. ●■●■●■●■陸上のサメ

クマは嗅覚が鋭い。 よく、海中に一滴の血を垂らせば、 何km先のサメがそれを嗅ぎ付け、 寄って来るというが、 陸上版のそれがクマである。 .

『吾輩はクマである』

■●■●■●■■●■●■●■■●■●■●■ . 『吾輩はクマである』 ――戦後文学の金字塔ついに成る!―― ■●■●■●■■●■●■●■■●■●■●■ . .

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■■=== 12 ===■■「マナ」や「セガマート」は「本物中の本物」のみに到達できる境地である!

そのような卑怯者の書画を見て 唸る精神が知れない。 柳生一門や伊賀・甲賀、 そして愛洲移香斎とはレベルが違うのである。 いちど志摩半島の奥地にある移香斎の記念館でも訪ね、 その書の格調の高さを目の当たりにしてみるがよい。 本物の中の本物の持つ香…

■■=== 11 ===■■卑劣漢;宮本武蔵の実像

宮本武蔵は敵を奇襲したのだ。 果たし合いの場所へ来て、 待合室で着替え、 あるいは刀の手入れをしている敵を 後ろから殴り殺したのだ。 勿論、約束の時間の前にである。 それも単身ではなく、 団体で。 卑怯者ゆえに生き残ったし、 生き残った故に後で幾ら…

■■=== 10 ===■■偏見で囲い込んだ「自分の殻」に閉じこもるな!

こういうことがあるから、 ちょくちょく他人の研究室も チェックしなければならないと想う。 でないと、今だに 武士道のエッセンスは『葉隠』如きにあると信じ、 あるいはまた、 宮本武蔵を「紳士的」で「精神性の高い」 武士道の理想像の如く考える “世間知…

■■=== 9 ===■■NHK教育の『新日曜美術館』でも!

. ↓ ↓ ――読者諸君、喜びたまえ! 11月28日のNHK教育;『新日曜美術館』(勿論2004年) で再放送される(別編集か?)。 「光琳・梅に秘めたメッセージ」という題。 「日本の国花は?」と訊けば十中八九は「桜」と答えるだろうが、 日本の国花は「梅」であ…

■■=== 8 ===■■NHK総合の『光琳;解き明かされた国宝の謎』

これは去年、研究中途の段階で一度放送され、 今夏2004年8月29日に決定稿のように放送された NHK総合の『光琳;解き明かされた国宝の謎』 によるものであり、 これも先日の坂本龍一と中沢新一との 『坂本龍一の日本再発見;ぼくの家を探す旅』 http://d.h…

■■=== 7 ===■■棟梁・プロデューサー、ブランド「光琳」

よって、尾形光琳ひとりの仕事ではなく、 様々な職人を使って、 大人数で仕上げた仕事なのだったのだ。 〈前回のシンポジウムで「どうあっても金箔にしか見えない!」 . と主張した東京大学の名誉教授;辻惟雄も、 . ついにその擬作性を認めた。〉 .

■■=== 6 ===■■「垂らし込み」の「幹」

そして梅の木の部分の写実性も、 「墨」で描かれたのではなく、 錆びた銅;緑青〔ロクショウ〕を焼いて灰色や黒に変色させ、 たっぷりの水でこれを溶き、その乾いていく過程で、 ムラが増幅される偶然性でリアリティを生むのだ。 しかもこの「垂らし込み」と…

■■=== 5 ===■■元禄の華やかな呉服商

光琳自身、京都で宮中の御用を務める程の 裕福な呉服商の倅であったわけだし、 実際、元禄の呉服の型紙もまさにあのような流麗な 「流水模様」だったのである。 ――人々が贅沢を楽しむようになったこの元禄期、 . 着物は斬新な意匠を競い、 . 高度な工芸技術…