$$ 2 ¥¥ $$ ¥¥対立把握とアンガージュマンの精度

評価しろということになれば、こうなる。
ここが盲点なのだ。
我々がヘリコプターから下の森を
眺めるとき、蓋然的に緑の濃淡の
平面体を把握するだけであるが、
実際の森は凸凹だし、一つとして同じ森は
ないし、厳密を規すれば同じ樅の木の
同じ枝先ですら風に吹かれて立体座標は
刻々変化するわけであるし、
そのうち枯葉は落ち、新芽は伸びるだろう。
――また、原子の領域でも、電子が物凄い
速さで飛び回っていることによって、
その固体が保たれている。
何ひとつとして常住不滅・不変のものなど
ないのである。とろくさい幻想だ――。
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