○☉ 4 ◎☯●○☉◎☯●自然の力を利用した運輸方法

むかし天竜川など大型の河川の上流では、
木を伐採し、それに名前を書き、川に流した。
トビという猛獣の爪のような鉤手で
丸太の端を刺し引っ掛け、
グイッ!っと縦に引っ張り、
そのまま豪快に投げ落とし、
ジャッボーンッ!
ゴンゴンッ、ゴンゴンッと
重く鈍い、ぶつかりあう音を立てながら、
何十本・何百本もの丸太が
川面を埋め尽くす――。
それで河口で拾い上げ、
仕分けし、
船の材料になったり、
業者に引き取られたのである。
それなら運送業者のバカ高い運賃もかからないし、
ユニックやクレーンでの振り替え・積み直しの回数も減り、
ガソリン消費と電力消費等々において
環境に優しく、かつ合理的である。
スチームパンク」を我々はナンセンスな
落し噺の一種として楽しんだ経緯をもつが、
あるいはここでまた“網野史観”や民俗学史観による、
エコロジカルな合理を模索するべきなのかも知れない。
単純に、ニュートン科学とヘーゲル哲学によって
――厳密にはこれらの消化不足によって――
組み立てられた現代の西洋原理には、
どう考えたって不合理・不都合が多い。
いたるところ「無理・無駄・ムラ」だらけであり、
それを既成の利権構造がゴリ押ししているだけに過ぎず、
われわれ利用者はその皺寄せであっぷあっぷ
させられているだけに過ぎない。
明らかに「貧乏人は麦でも喰らえ!」と聞こえてくるし、
「おまえ一人くらい死んだ所で誰も困りはしないんだッ!」
という投石がなされている。
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