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裏に山があるために、
夏にはアブラゼミが飛来し、
非常階段などで腹を向けて、
仰向けに干からびている。
――かと思いきや急にけたたましく
逃げ飛ぶ。
毎年びっくりさせられる。
そしていつしか本当に
仰向けでくたばってしまっている。
勝手にしやがれ』ってなような
奔放な死に様だ。
幼虫で7年間も地中に居て、
蛹から返ると
7日しか生きていない。
それでテリトリーにも、
森林エコロジーにも
無関係な有らぬ地で
朽ち果てる。
木曜日に来る掃除屋に
掃き集められて「可燃ゴミ」だ。
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