Mz18.価値測定器に人を乗せると************

そこで角アゴの男が話した話とは
以下のようなものである。
「“話”というのは他でもありません、旦那。
あなたが先ほど申したように、その価値測定器に
人間を乗せてしまったんで。」
「へえ、で、どうなった?」
「価値評価が出まさぁ。」
「そりゃ出るだろう。だから、どうなったというのだ?」
「えらいことになりましたんで。」
「ふむ。俺はそのことを訊いているよな、さっきから?」
「へえ、さようで。・・・・・・。」
「だったら、それを答えるべきだろう?」
「ごもっともで。」
「答えたくないのか?」
「はい、答えたくありません。」
私は腕を締め上げた。
「答えなきゃ、どうなるものやら、察しが着くだろう?」
「この腕を折られるんで?」
と、男は動じず、むしろ希望するかのように云った、
「だったら、いっそそうなさってくださいまし。」
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