Mz25.アンナ・アマリア*********************

「でも私は色んなことを急速に吸収して、
国民性や歴史を把握することによって、
プログラムに潜む民族特有の個性を見出し、
その次元から修正を試みるつもりなのです。
簡単にでもいいから、どうかお話ねがえないですか?」
「そこまで云われるのであるなら、お話しますがね、
それはちょうどドイツのアンナ・アマリア図書館が
焼失したではないですか? あのような抗争が
あったのです。」
「って、アンナ・アマリアは完全焼失したわけでは
ないし、あれは別に抗争などではないですよ。」
「いや、あれこそが抗争なのです。あの2〜3日前にも
モスクワで女性による自爆テロがあったではないですか。
アンナ・アマリアの火災ではゲーテの戯曲も、
ルターの聖書も、ビスマルクの書簡ですら、
失われたのですよ! それが単純な不注意だとでも、
あなたはおっしゃるんですか?」
「大方の人間はそう思っていると思うけど・・・・・・」
「だからあなたがたはバカなんです! 疑うことを
知らないから、ノー天気で居られるのです!」
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