14.ガタリ--------------------------------

【♪1】.フェリックス・ガタリ、フランスの現代哲学者、1930〜1992.0829。ポストモダンの花形スター。ジル・ドゥルーズと共著で多くの画期的な問題作を打ち立てた。『アンチ・オイディプス』や『千のプラトー』など。【♪2】.また単独で、『精神分析と横断性』(1972年)や『分子革命』(1977年)、プルースト論『機械状無意識―スキゾ分析』(1979年)、1980年代には『分裂症分析の地図製作法』、『精神と記号』『三つのエコロジー』『<横断性>から<カオスモーズ>へ』等々、さすがにジャック・ラカンの下で精神医療を学んだだけあって鋭い情報処理能力を示したし、それらの活動の中から「エコエティカ」などという読んで字の如くの「自然循環の叡智(・倫理)」なんて、殆ど東洋的なセンスさえ示してくれた。【♪3】.非常に該博で、しかも文系知性よりも理系で最新の研究論文などにも通じ、老いたドゥルーズ以上の飛躍を見せるかと期待されたが、病気のため若くして急逝。(相方のドゥルーズは以前から病気入院を重ね、“危ない、危ない”と云われていたが幸い保ったのに、生き別れでのコンビ解消に意気消沈して3年後に後追い自殺。)【♪4】.くるっくるっの、ベティ・ブーヴ並の巻き毛が蓬髪――「蓬〔ヨモギ〕のように乱れた髪。」昔は身だしなみの出来てない恥ずかしいことであったが、現代はファッションで敢えてピンピンハネさせる。この意味においてもガタリは先をいってたのか?(必ずしもアイロニーではない)――と、狂的な奥目で、マッドサイエンスチストみたいだった。【♪5】.死んで12年ばかり経ったわけだが、改めて現代思想で一番スゴかったのは誰かと考えるならば、ネグリヴィリリオボードリヤールクリステヴァ、ナンシーではなく、断トツでガタリかと想われる。【♪6】.あまりにも狂的、あまりにもデモーニッシュであったために、むしろ第一奏者と目されたジル・ドゥルーズは手綱をもつ調教師で、それを制御できないほどに引っ張りまわす猛獣のような構図が成り立つだろう。【♪7】.前衛といって、本当の本当に前衛なケースは稀である。なぜなら大体は大口を叩くだけで実際の伴わない、理が不尽な連中ばかりである。よって、お弁チャラで、“自意識過剰”な相手には「ハイハイよしよし」としてやることもあるが、まづ本心では、そんなアグレッシブでプログレッシブなハートの熱い不言実行の行動力ある奴は皆無である。【♪8】.みんな見えない所;私的な領域においては「屁を扱き、ウンコをする」天使には程遠いアイドルだ。(;→皮膚にはダニ・カビを飼い育て、名の着いた性病の限りを持っている!)。【♪9】.かといって、開き直るような精神のダラケた奴はとっとと失せやがれ!である。【♪10】.そういう点、我々が結構熱心にやっても中々及ばぬまでに独自の考察や研究を続けた極々一握りの人間だけが歴史上に燦然と輝く。最近のもので最も皓々たるものが、他ならぬこのガタリなのだ。【♪11】.後代は「わだば吉本隆明になる!」などといってビン底メガネで版面に鼻を着けるようにしてせっせせっせと邁進などするな!(;→棟方志向がゴッホを目ざしてそんなようなことを云った。また、現代哲学では吉本を目ざせと中沢新一がかつてそう語っていた。それを意識して。)【♪12】.D−Gの共著を座右の聖書として生きよ(/さもなくば死ね!)!
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