#■ 7 ■######■ラプラース

ラプラース
★ピエール・シモン・ラプラース、フランス、1749〜1827。ガリレオたち以来、眺められ続けてきた“天体”は、その因果・法則が次第に思索されていく。★中でもライプニッツニュートンパスカルなどのものが古代に立ち返った原理的なものだったが、哲学者のカントは外郭から理性の精度を極めようと自然科学を厳密に審査していった。★(そんなイメージが持たれやすいが、本当は逆である。カントは科学者であり、大学の卒論は『活力測定考』だし、地球の自転や地球の老朽化、地震原因論、天界の一般自然史・・・・・・等々ばかりを考察していた。40歳になり初めてルソーの『エミール』を読み、その関心を人間・哲学に移すのである。また、ヒュームの懐疑論哲学による形而上学批判を知り、それまでの確信が揺らいでいる。)★その結果、考えられたのが星雲説である。いわゆる『カント‐ラプラースの星雲説』。ラプラースは、宇宙の成立を科学法則から説明しようとして、カントの星雲説を発展させ、宇宙進化論を説く。★ラプラースのした仕事は、ケプラー以来考えられてきた「楕円の軌道」はありうるか?という論題;ニュートンさえ結局は証明未遂に終わって放置されていたものを、「無限解析はその普遍性によって、与えられた法則から導かれうる全てを包括する。」として、論理的な後押しをした。★神秘に関する宇宙の記述に必要な初期条件に関する無知を、絶対的な確率の方法によって予見可能だとして「ラプラースの魔」を捻出した。
.