▲▼∴ 631019. ∵▲▼ リンチはやはり『ストレイト・ストーリー』でしょう!

―― 一方この『エリー・パーカー』は確かに、
   デヴィッド・リンチの『マルホランド・ドライブ』と同じく、
   ハリウッドの裏面を克明に描いており、謂わば、
   撮り替えデモ盤みたいなようなものである。
  〈ナオミ・ワッツ=エリー・パーカー=俳優は「アーチスト」だし。〉
  〈マルコヴィッチやクシシュトフ・キェシロフスキ
  『ふたりののヴェロニカ』を想わす人形師も「アーチスト」だし。〉
   が、しかし、ハンディカメラのやや劣悪映像は、
   いかにもドキュメントの迫真性を巧みに模倣できており、
   下手にジョナス・メカスアンディ・ウォーホル
   「多大な影響を受けた」と宣伝る
   ガス・ヴァン・サントの『エレファント』なんぞより、
   250倍いい!
   コロンバイン高校の銃乱射事件を、
   ジャン=リュック・ゴダールの『勝手にしやがれ』的な演出で、
   出演者たちに普段通りの会話をさせた
   学芸会の記念ドラマの乗りなんぞよかも!――
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