▲▼∴ 697024. ∵▲▼ 身の丈しらずの巨人

「そりゃ引っ張り過ぎだらう、
  いくらなんでも。
  もう少し優しくやってくれ。」
と注文を付けたら
「わかったわ」との返事だったけれども、
その後も余り変わらず、
大ゲサなお笑い芸人の様な
リアクションを取らされ続けた。
そして施術後、レジに立ったら、
同じほどの目線だったレジ係を
今では見下ろしてゐる。
さうなのだ、
あちこち引っ張られて私の体は伸びたのだ。
「オー、マイガッ!」
と手で顔を覆ったら、
指先が頭頂にまで届いた。
手までグローブの様に巨大化してゐた。
「Upper!」と言ってやる。
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