▲▼∴ 7121893. ∵▲▼ フォンテーヌブローの森から、生誕200年の画家たちの仕事が来訪

――ロベール・ドローネーといへばバルビゾン派7星の一人。
   〈え? シャルル=フランソワ・ドービニーと勘違い?
    あ、さうか。あるよね〜、さういふこと。〉
   このほど高知に続き名古屋のボストン美術館に於て
   ジャン=フランソワ・ミレー展が行われてゐるが、
   象徴的作品である『種まき人』が更にくすんで、
   最悪スペインのセシリア・ヒメネス婆ちゃんにでも
   修復して貰いたく感想った。
   (>“善意”でキリスト画を猿の絵にした!)
   酸化して黒ずんだ『種まき人』では感動が
   酸くないのだ。
   また、ミレーのもう一つの代表作『落穂拾い』
   や『晩鐘』が無いのは致命傷だ――。
――勿論、24歳の時に書いた自画像は素晴らしい。
   揺ぎないレンブラント級の名品だ。
   し、『馬鈴薯植え』や『刈入れ人たちの休息』
   (ルツとボアズ)といった農民たちを描いた
   絵も素晴らしい。あるいは『バター作りの女』
   からは掻き回し棒の音さへ聞こへる!
   これらが1848年の二月革命
  (;農民たちの反乱、
  ギゾーとルイ=フィリップの追放、
  そしてこの後の詳細はカール・マルクス
  『ルイ・ボナパルトブリュメール18日』参照!)
   に共感を表明するものであったとしても、
   テオフィル・ゴーティエの評論のやうに、
   画期的作品だ。就中、『羊飼いの娘』が
   手持ち無沙汰な糸紡ぎ棒や、
   紡績を母から習う少女の絵(『編物のお稽古』)
   にはルノワール的な愛を感じて心が安らぐ――。
――けれども、バルビゾン派といえば
   「ミレーとコロー」と即答してアカデミックに
   処理してきた我々には大いなる反省を与えられる。
   ジュリアン・デュプレの『ガチョウに餌をやる子どもたち』。
   そして、ヨゼフ・イスラエルス!!!!!
   『別離の前日』、そして、
   『病み上がりの母と子供』。
http://www.allposters.co.jp/-st/Jozef-Israels-Posters_c25428_.htm
   一瞬にして劇のクライマックスに投じ込まれる。
   私はアイズレー・ブラザーズも、
   KISSやQueenも、そして、ストレイ・キャッツ
   世界で最も早くに注目した人間であるが、
   (絵で言ふなら平山郁夫ヒロ・ヤマガタ!)
   さういふ「日本人好み」に仕上がってゐる
   ってところはあるのであらう。
   聊か17Cスペインのムリリョ(『乞食の少年』)や
   シャルダンの『食前の祈り』を想はさないこともないが、
   しかしこれほどベタな名作を
   数年前の「オランダ・ハーグ展」で目にして置き乍ら、
   記憶にさへ留どめてゐない私といふのは、
   殆ど開き目くらである。
   8末までにもう一度しっかり、
   バルビゾン派と向き合いたい――。
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