【78】 . クライブ・バーカー

くらいぶばあかあ
1952年リヴァプール生まれの幻想作家。スティーブン・キングが退屈で時代遅れな無駄話に興じている間に、イギリスからスプラッター・ムーヴィーを想わす、過激で爽快なオカルト小説が生れた。まるで、オカルト版シドニィ・シェルダンである。昨今は長編ばかり書いているが、デビュー作の短編を集めた『「血の本」シリーズ』が秀逸である。視覚的にして、キモォくて(アンプレザントネス&ナスティ)、文章のみで「吐き気」や「体内深部からの反乱の恐怖・不安」をさえ味わわせた力量は、ヘミングウェイの「ヴィジブル、オーディブル、タンジブル」など幼稚に思える。ために1980年代当初「スプラッター小説」と称された。