△ 24 ▲ 『 Izumon Holiday 』

狭い入口を船が恐々抜けると、
幅20m*高さ30m*長さ200mの壮大な間が広がる。
八雲が「肋骨状の骨を彫り、穹窿の股を刻み」
といった円天井へ視線を動かしていくと、
「御手水鉢」〔おちょうずばち〕(「御手洗」、「地蔵の泉」;→水)が、
思い出したアトラクションであるかのように降り注いだ。
ローマの休日』の「真実の口」ではないが、
心の横しまな人がこの岩屋に入ると、
この円天井から石が独り手に転げ落ち、
その者に的中するのだという。
この逸話を基に、私はかつて
『出雲の休日』というラブストーリーを書いた。
五木寛之村上龍やの百倍も淫乱いので、
教育委員会やらPTAによって廃版にさせられてしまったが、
その委員長はこの天誅に当たって
死んでしまうのである。
〈あれ? どこまでフィクション?〉
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