■■=== 2 ===■■銀箔と硫黄の流水模様?

更には、中央を大胆にうねる流水さえも、
銀箔の上に「明礬+膠」の腐食保護液を塗り、
その上に草津温泉の「湯の花」のような硫黄の粉をまぶして、
しばらく放置すると、
保護液を塗っていない部分は腐食して黒くなり、
保護液の塗ってある所は銀色のまま残るのだ。
これによって「波紋」は描かれたものと、
ずっと長らく――元禄美術の300年来――
考えられてきたものが、
つい昨今、解き明かされたのである(!)。
――明治36年の『光琳派画集』でさえ、
.   銀箔の使用が堂々と語られている――。
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